勝手に燗酒コンテスト2022
KATTENI KAN SAKE 2022 開催!!
2021年8月16日、燗にして美味しい!というお酒を決める『燗酒コンテスト2021』の受賞酒が発表されました。受賞された蔵元さん、おめでとうございます!!!
伏水酒蔵小路では、「勝手に燗酒コンテスト2021」を勝手に実施しました。
前回は「ぬる燗部門」の審査結果を発表しました。今回は「熱燗部門」の発表です。
審査員のご紹介
「モーニングRUN」を始めて5キロの減量に成功!自称意識高い系40歳、唎酒師Rin(以下RIN)
女子力UPを目指し、自宅で輪切りレモンタワーのレモンサワーを作り、ガスバーナーでするめいかを炙る、国際唎酒師のフシミ!(以下フシミ)
の総勢2名です。
審査基準について
審査基準は、誠に勝手ながら、割愛いたします。詳細は前回ページをご覧くださいませ。
今回の審査は「熱燗部門」
今回は熱燗部門の審査のため、55°まで審査酒を湯煎します。
55°は香りがふんだんに感じられ、ドライな口当たりへと変化します。
審査酒の湯煎は、皆さんおなじみの、江戸時代に広まったとされていて、中国から入ってきた熱伝導に優れた錫で出来たちろりを使用します。
「勝手に燗酒コンテスト2022 〜熱燗部門〜」審査酒
エントリーNo.1 黄桜 純米吟醸酒 Japanese sprit(祝)
エントリーNo.2 途中棄権
エントリーNo.3 招德酒造 辛口原酒(旭四号・五百万石)
エントリーNo.4 増田德兵衞商店 抱腹絶倒(五百万石)
エントリーNo.5 城陽酒造 本醸造(国産米)
エントリーNo.6 玉乃光酒造 酒鵬 純米大吟醸(国産米)
審査開始
エントリーNo.1黄桜 純米吟醸酒 Japanese sprit(祝)
フシミ:(あれ、Rinさん、髪型結構変わってる?ま、いいや。)
RIN:香りがそこまでないね。そうね・・・(一口飲んで)ええっ?!
フシミ:ちょっとマーガリン的な重い感じ?
RIN:うん。温度帯のせいかな?純吟のわりにめちゃくちゃ重く感じんねんけど(笑)
冷酒が結構、ドライな感じだったからよりきれいになる感じなのかと思いきや・・・。
フシミ:口の中にまとわりつくような?ん〜、味も濃くなってますね。
Rin:俺意外と好きかも。祝が好き!この米の甘みが好きなのかな。
フシミ:わたしも味は好きですけど、純米吟醸なのに否めない厚みのある喉越しと味わいに、まだ驚きが隠せません。
Rin:そうね。ちょっと今回は、『大鮎の甘露煮』を食べながら、審査しましょうか!
フシミ:(また勝手な・・・)
Rin:審査基準はこの鮎にどれが合うか、かな。この鮎は何でもあうww
フシミ:何でも合いそうですね(笑)
Rin:まあなんてったって、伏見のお酒ですから??
(得点集計中)
鮎と食べたら、めっちゃ酒がうまなってきて
審査基準がわからんわ!
フシミ:大鮎の甘露煮を食べてから、このお酒の味わいがガラッと変わりましたね。(笑)
Rin:こんなにも偶然ペアリングが決まってしまったから間違いなくこれは特別ポイントやな!!!
エントリーNo.2非公開
・・・ええ?これはなんか違いますね。
Rin:あんま好きじゃないな・・・。ちょっと〜 ああ、なるほど・・・あの、こんなんコメントできひんけど、角が取れて丸くなってる。ただ本当に香りがダメかな(笑)
フシミ:そうですね、冷酒の方が断然よかったです。ほんとに私たちが勝手に温度ミスしてますわ(笑)
Rin:えー、というわけでエントリーNo2の審査酒は
「棄権」となりました。
エントリーNo.3招德酒造 辛口原酒(旭四号・五百万石)
Rin:なんやろ、この・・・旭のお米の特徴かな?この味。
フシミ:冷酒の時よりも、やや飲みやすくなった気がしますね!
Rin:うん。これは好き。冷酒で飲んだ、あの味わいが好き。
当然これも同じように俺の中の「燗上がり」やけど、中盤までが「燗上がり」してるって感じかな。
フシミ:ん〜、香りはインクっぽいけど、味は思ったよりインクっぽさは抜けてますね。一瞬、落ち着くんですけど、最後の最後にこう、ギャン!って味が舌の上で感じるんですよ。
Rin:(大鮎の甘露煮を食べて)
う〜ん、この大鮎って何にでも合うんちゃうか?笑
フシミ:燗にすることで出てくるちょっと濃い香り、渋みとか、自分の苦手な味覚を鮎が持っていってくれますね。
Rin:そうね、原酒ならではの、最後に感じる荒々しさ・・・高い度数というか、後味がちょっと引っかかるね。でも鮎、合うわ。「鮎上がり」してるね。
フシミ:最後の後味、わかります。丸っこいとは少し違うんですよね・・・
(得点集計中)
Rin:・・・あれや!前回フシミの言ってた100m走の80mぐらいまでめっちゃうまいやつや!
フシミ:あの、おしりにかけて減速するやつですね(笑)
Rin:ええ〜、「燗上がり」もしてるし、「鮎上り」もしてるね。いいよ、特別ポイントやね。
(特別ポイントっていうか、鮎ポイントなのでは?!)
エントリーNo.4 増田德兵衞商店 抱腹絶倒 (五百万石)
Rin:う〜ん、ちょっと違うな。予想と違ってたわ。
フシミ:(好みの味で、静かに唸る)
Rin:ああ!変態!あなたは『変・態』です!
Rin:これ何?って感じなんやけど。笑
フシミ:甘酸っぱいがさらに引き立ってますよ、これは!!!
Rin:いや、甘酸っぱさはわかるけど。もう口を捨てたい(笑)いや分かるよ、甘酸っぱい。
フシミ:正直、個人的には酸味が強いお酒が好きなので、これは非常に良いです。
甘酸っぱいと言えど、甘ったるさが最後まで尾を引くお酒も多いですが、
ちゃんと酸味で味のメリハリを味わえるような感じです。
Rin:これは日本酒らしくないな。好きな人は、好きなんだろうな、これは。
フシミ:甘と酸だと、酸っぱさが勝る甘酸っぱさ。そして、冷酒の時に感じたままの味わいが、そのまま強く際立っているタイプですね。
(得点集計中)
Rin:こういう低アルコール日本酒や、酸味が強い日本酒が好みというお客さんには、燗酒でもどんどん勧めていこうか。
フシミ:こうやって好みが分かれますからね!改めて飲み方のバリエーションに気付かされましたね。
エントリーNo.5 城陽酒造 本醸造(国産米)
Rin:・・・?!ちょっと自分の好みにはあってるんだよね・・でも何この香り?
フシミ:Rinさん・・・これ、小麦みたいな香りがする!!!
Rin:なるほどww お見事お見事!!あのね、やっぱりね「自分の大好きな燗の味」を知ってしまってるからこそ、それに似てる系統が好きなのかなぁってつくづく思うわ。
フシミ:私はこれにタイトルを付けるならば
「小麦畑で食べた、
夕張メロンの味を思い出す
13の夏 in 北海道」
Rin:13歳の夏ww小麦の香りわかるわ、日本酒なのにな。香ばしい香りがめちゃくちゃあるな。
フシミ:香りは麦のようで・・・吟醸香ってよくメロンに例えられることがありますけど、本醸造と思えないんですよね〜。
Rin:そうだね、ほんまに本醸造なんかって思わせるような。燗酒にすればより引き立つね。この醸造アルコールうまくいい方向性に替えているかなと
(得点集計中)
フシミ:麦麦麦麦!
Rin:ホント、評価ってそこやね。これも意見が分かれるかもしれないけど(笑)
フシミ:この麦の感じの好き嫌いもあるし、そもそも麦を感じない人もいるでしょうからね。
Rin:この味の切れ方はあんまり個人的には好きじゃない。でもこれは扱う温度の違いやからなぁ。
基本ぬる燗で楽しむ人なんで、僕。
フシミ:そんなん言ったら、もう元も子もないですよ。
エントリーNo.5 玉乃光酒造 酒鵬 純米大吟醸(国産米)
Rin:あのね・・・「燗にしてもいい純米大吟醸」っていうのが、ものすごく飲んでわかる。香りを結構抑えているから、引っかからない感じのええ純米大吟醸だね。
フシミ:口に含んだ瞬間に、味よりも香りが広がってくる感じですね。一口目で味は正直香りに負けているというか・・・滑らかやしかな?
Rin:例えば3割5分の祝を使った、きれいなお酒を燗にするんじゃなくて、こうどちらかというと温めて、より味の引っかかりがないようにするっていうのがポイントかな。
フシミ:確かに、引っ掛かりなく滑らかにはなってます。3口目、4口目で味わいが深くなってきますね。
Rin:ラベルが全部金色っていうところも、なんかゴージャスで綺麗な感じ。
(得点集計中)
フシミ:うん。これは例えるなら後味はコーヒーゼリー。もうそれ以下でもそれ以上はない・・・。
Rin:いや、これ米じゃん!でもいいじゃん(笑)そうか、もう一杯飲んでみよう。
フシミ:ちょっと燗冷ましにしたら変わるかな?
Rin:味わいが盛り上がる場所がどこに・・・
(一口飲む)
Rin:ちょっと待って、もう一口飲むわ。
フシミ:え?!わたしはそう、大きな変化がまだ感じられません・・・
Rin:いや、味、一緒です。
フシミ:びっくりした(笑)ブレもなく、香りも味も非常にまろやかですね。
Rin:そう、軸がしっかりしてていろんな料理にトライできそうだね。
結果発表
勝手に最高金賞
黄桜 純米吟醸酒 Japanese sprit
城陽酒造 本醸造
勝手に金賞
招德酒造 辛口原酒
増田德兵衞商店 抱腹絶倒
玉乃光酒造 酒鵬 純米大吟醸
審査を終えて
フシミ:途中でも話してましたが、前回のぬる燗の時よりも、
燗酒の方が個人の好みが分かれやすいなと思いました。
甘み、酸味、渋みと香りの要素がそれぞれに主張するところと、
それに負けてしまって弱くなるところがあるのかなと。
あとは、猫舌かどうかで無意識に舌のどの部分で
飲んでるかで感じ方が変わりますからね。
Rin:「鮎上がり」するって言ったように、鮎の組み合わせで
審査の基準がアップしたりありましたけど、
結局、伏見のお酒は食事に合わせやすいっていうのがゴールでしたね。大体はうまくペアリングしてしまった、っていうところです。
飲んでも飽きないし2日酔いにならない。(個人差あり)やれるだけのことは燗酒でやろう!!!!
勝手に持ち込んだ大あゆの甘露煮により、特別ポイントが吉と出るか、凶と出るか?!
そこが大きな分かれ道だった今回の審査。
お酒単体で美味しいのは当たり前ですが、お酒とアテの双方をより引き立てて楽しむことをもっと皆さんにも体感してほしい・・・ということで、また次回もお楽しみに!
※なお、勝手に燗酒コンテスト2021(主催:勝手に燗酒コンテスト実行委員会)は、伏水酒蔵小路の国際唎酒師並びに唎酒師のお遊びであり、新型コロナウイルス感染防止策を徹底した上で独断と偏見で、勝手に開催しております。ご了承くださいませ。